top.JPG

2008年03月27日

松田翔太が「実力派」であることの証明


なぜなら、顔の「左半分」が見事に演技しているから。


これだけでは、何のことかわからなくて当然。順番に謎解きをしましょう。

まず、松田翔太君が演じている主人公秋山深一のヘアスタイルが問題です。深一はどちら側の髪を垂らしているでしょう?

答えは「右側(視聴者から見ると向かって左側)」が正解。

時には、顔の右半分に髪の毛がかかって、顔の左半分しか見えないこともあります。結果的に、視聴者から見て右側、つまり、彼の左側のアップが多くなるのです。



厳密に言うと人間の顔は左右対称ではありません。

試しに、正面から撮った誰かの顔を、真ん中で切って、左右それぞれの鏡映像を作り、左側半分どうし、右側半分どうしを組み合わせて、左だけでできた顔、右
だけでできた顔をそれぞれ作ります。この2枚を見比べると、まるで「他人のそら似」状態。せいぜい兄弟か従兄弟といった感じなのです。まあ、ある程度似て
はいても(もとは同一人物なんですから、当たり前です)、別人としか見えません。



私たちの顔右半分は左脳にコントロールされています。反対に、左半分は右脳にコントロールされているのです。その結果、正直な気持ち、つまりその時の感情の状態が素直に反映されるのは顔の左半分になるのです。

実際、様々な表情の写真をたくさんの人たちに見せて、左右のどちらの顔にはっきりと表情が表れているかを判断させると、「左半分」という答えが多くなります。

顔の左半分をコントロールしている右脳は、「感情脳」などとよばれ、直感や感情の機能を担当しています。逆に、左脳は「論理脳」とよばれ、言葉や推理、理
屈などを担当しているのです。ですから、論理脳に支配されている顔の右半分は、その場にふさわしい表情を保つことができます。仮に内心はウキウキした明る
い気分であったとしても、今がお通夜の席なら神妙な顔を維持することができるのです。そこで、この右半分は「社会的な顔」とよばれます。

逆に、左半分の顔は、感情脳(右脳)に支配されているので、ついつい正直な感情を表に出してしまいます。そこで、「私的(プライベート)な顔」とよばれています。



ですから、「顔で笑って、心で泣いて」というように、心の内面と外面にギャップがある場合などは、左右の表情にもギャップが生じてしまい、いわゆる「引きつった笑顔」になるのです。

詐欺師も三流の場合は、演技能力に欠けるので、いくらウソをついていても、その左半分(向かって右側)を注意深く観察していれば、話している内容と表情の
間にミスマッチが見つかり、「どうも不自だ」ということになります。もっとも、さらに四流の詐欺師となると、こうした発覚を恐れるあまり、ついつい手で顔
を隠したり(口覆い)、盛んにタバコを吸ったり、水を飲んだり、視線を逸らしたりという、明らかに不自然な仕草をするので、簡単にバレてしまいます。


要するに、たとえ詐欺師であっても、一流でないと、左右の表情を状況に合わせることは難しいのです。論理脳(左脳)がコントロールする右半分の顔は、必要
に応じて、その場にふさわしい表情を作ることができるのですが、感情脳(右脳)に支配された「左半分」となると、なかなか思うようにはいきません。



ですから、「実力派」とよばれる一流の俳優さんや女優さんは、役柄に応じて、自分の感情までもコントロールしてしまいます。役と場面に合わせ、心理的なレベルで喜怒哀楽の感情を切り替えることができるのです。

そうすれば、表情に左右のアンバランスが生じることはありません。

(もちろん、詐欺師の役や、心の内と外の葛藤を演じる場合は、むしろ、左右のアンバランスを強調して見せたりもするのですが・・・)



もう、おわかりになったでしょう。

いつも、自分の顔の左側(視聴者から見れば右側)を前面に晒して、堂々と演技を続ける松田翔太君は、主人公の感情の動きを、本来なら「不利な」はずの「私的な顔」をも使って表現しているのです。

私たち視聴者が、そこに何らのほころびも感じないということは、とりもなおさず、松田君が自分の感情さえもコントロールして演じていることの証明なのです。



これはもちろん、彼が実力派であることの、ほんの一端に過ぎないのですが・・・。



このように、一流の演技者の皆さんは、ごく自然に、さりげなく、私たち視聴者を欺いて見せます。また、私たちにしてみれば、上手に欺かれることが、何とも言えない快感だったりするわけで、これも一種の「ライアーゲーム」だとは思いませんか?

⇒ 第8話 を見る
posted by miracle-yan at 03:00 | 心理学レッスン 8話
カテゴリ
×

この広告は1年以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。